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ゆー and みー with104

20代専業主婦の育児、生活、漫画と本の話。嬉しいことも苦しいことも笑いに変えて前向きに生きたい人へ。

『冷静と情熱のあいだ』を読んで想う過去の恋愛

江國香織冷静と情熱のあいだ rosso』を読んでいる私を見て、『え?なぜ今更?すごく古くない?』と言ったとしお。

でも、私は映画を1度も見たことがないので、まぁ古いし今更なのはわかっているのだけれど、いつもの如く図書館から借りてきて読んだのです。

フィレンツェで再会するくだりは有名なので知っていましたが、こういうベタな展開って、小説で読んでも良いなぁと個人的には思います。

人間の気持ちも、現実も、本質は単純なはずなのに、すんなりはいかない。

第3者には見えるふたりの本当の気持ちと現実を、当事者のふたりは知らないし、お互い明らかにしようともしない。

私はこれ、わからないようでよくわかる。
自分の気持ちが向いている先を自覚しながら、実際にはそこへ行くことはしない。

どちらに行っても後悔するだろう。
私も、あおいも。


もう1度だけで良いから会いたい人が私にもいる。
小説や映画のような展開は全く期待していないし、望んでもいないけれど、私はいつか、会いに行きたい。

白髪頭が板につき、しわしわでも上品なおばあちゃんになるのが私の夢なのだけれど、そんなふうになれたときに、私はその人に会いたい。

スタンウェイのグランドピアノに向かって、
ガチガチに凝り固まったしわしわの手で、
思いつくままにモーツァルトショパンを遊び弾きしながら、まるでその時間が永遠に続くかのようにフワフワと、とりとめのない話をしたい。

ずいぶん退屈な男と結婚して、それでも子どもはかわいくて、仮面夫婦としてそれなりに暮らしてきたよ、なんて言うのかな。

私の本当の気持ちになんて、これっぽっちも興味がなくて、なにも知らない男だけど、私のために、自分は大して好きでもないチーズを買ってくるんだ。
1000円というラベルを見て震えた!
自分の好きな肉にさえ、そんな大金を積めない人なのに。

私はフィレンツェのドゥオモではなく、ヴェネチアのためいきの橋に行ったよ。としおとね。
新婚旅行ではなくて、卒業旅行。
あのときはまだ仲良しだった。

新婚旅行でもう1度イタリアに行ったときは倦怠期で、手を繋ぐのさえ億劫だったのよ。
リタイア後の世話焼き夫婦達が一生懸命ツーショット写真を撮ってくれようとするけれど、私達は冷めていた。
世話を焼かれなければ顔が写った写真なんて手元に残らなかったかも。
クロアチアで食べたピスタチオのジェラートは薬の味がした。ローマで食べたときの感動に、ちょっと傷がついたような残念な気持ちで、ふたりで1つにして良かったなぁと思いながら食べたの。

こんなくだらない話を聞いてくれるほど暇ではないだろうし、面白くもなんともないだろう。

でも、かつて、私の長い長いラブレターを読んでくれた唯一の人。
としおはね、そういうの面倒だから嫌いなのよ。
だから、ブログも安心して書いているんだけど…

もう少し、大人になってから出会いたかった。
だから、今は、会いに行きません。


あおいはたぶん、生涯順正より好きな人に出会うことはないだろう。

本人もそれを確信して決めたのだと思う。


あなたは、彼女の判断に納得できますか?