ゆー and みー with104

20代専業主婦の育児、生活、漫画と本の話。嬉しいことも苦しいことも笑いに変えて前向きに生きたい人へ。

『進撃の巨人』に見る記憶継承の意味

ネタバレ大好きな私。ネタバレ探しで夜更かしすることもしばしば。

単行本派の私ですが、『進撃の巨人』は最新話まで網羅しています。


進撃の巨人(22) (講談社コミックス)

進撃の巨人(22) (講談社コミックス)


ここまできてやっと、私はユミルがクリスタに別れを告げ、ライナーとベルトルトについていった理由がわかりました。

それは、ユミル自身の記憶が、クリスタや他の訓練屏との思い出が、巨人の能力を継いだ相手に継承されると気づいたからなんですね。

レベリオ収容区のエルディア人は、パラディ島のエルディア人を悪魔の末裔だと信じてやまない。

島のエルディア人は、実際には記憶を改竄され、壁の向こうの世界については何も知らず、ましてやその向こうに人間が住んでいるなんて思ってもいないのに。

何も知らない収容区のエルディア人に自分の見たもの、感じたもの、事実を知ってもらうことが、世界の希望だと思ったからこそ、クリスタと別れ、自分の命を犠牲にしたのだろう。


ライナーにしても、自分が殺した人間たちが、本物の悪魔だったらどんなに良かっただろうと思う。

悪魔の末裔、穢れた血だと教え込まれていた人間たちは、悪い人間ではなかった。自分達と変わらない似たような人間だった。

そんな人間たちを大量に殺めて、罪悪感に苛まれるという地獄。その地獄を、率直に伝えることができない境遇もまた残酷だ。

なぜ戦士たちは子どもなのだろう?戦争の前線に立ち、兵器として闘うのが10代の子どもでなければいけない理由って?

ジークの目的も全然読めない。これは今後の楽しみだ。


自分の経験やそのときの気持ちを語ったり綴ったりすることは、単なる自己満足だけに終わらない。それを聞いた相手に、何らかの影響を与える。その力は、強くはないかもしれない。でも、そのなかに込められた気持ちが大きければ大きいほど、希望も大きくなると信じたい。

目に見える景色はほんの一部分で、それ以外の場所で、誰がどんなことをしているのかなんてわからないけれど、世界はひとつで、実はすべてが縦にも横にも繋がっている。だから、自分の記憶を継承することが、海の向こうの誰かや、これから生まれる誰かを救う希望になる。

今の悩みも、いつの間にかそれを乗り越えていたという体験も、発信すればきっと誰かの力になる。


進撃の巨人』の世界をひとつに収束する人間は一体誰なのか。ひとつひとつ地道に解決して前に進んできた物語だから、今後もじっくり味わおう。