panda life

白も黒もどちらも私。20代専業主婦の育児、生活、漫画と本の話。

辻村深月『オーダーメイド殺人クラブ』

日常を取り戻すために必要だったこと。

私にとって、それは、辻村深月の作品を読むことだった。


今回読んだのはこちら。



友達でも恋人でもない、ただのクラスメイト同士だった男女が、殺人の被害者と加害者になるべくシナリオを作る。一言で表すと、中二病のお話。

複雑に見えて単純な、異常に見えるのに人並みな中学二年生の心の動き。

『ぼくのメジャースプーン』では、動物殺しが器物破損という罪にしかならないことを書いていた作者が、動物を殺す側の視点で作品を書いていることにも驚いた。

死んでみたい、殺してみたい、そんな物騒な思い同士が出会った結末は…


スロウハイツの神様』の、チヨダ・コーキと赤羽環のラストを思い出すような、後味爽やかな作品。


また、本棚に置きたい本が1冊増えた。


引っ越しから1週間。
辛いこともあり、食欲不振で、出産直後みたいにお腹が萎んでしまったし、お友達のありがたみに気づかされ、寂しくて胸が締め付けられて、私はとても小さくなってしまった気分だ。

今まで当たり前だったものがなくなって、煩わしかったものでさえ、失った状態が不安で、何にもすがりつけないことが怖かった。

単刀直入に言うと、隣のばばあの性格が悪くて心がポキッといってしまったという話なのだけれど、

近所の優しいおじいちゃんおばあちゃんに支えられて、どうにか生きていけそうです。


思いがけない人が自分の支えになってくれるときもある。クラスメイトAやBでしかなかった人が、いつの間にか電話をかけたい人になっていたり、その人からの電話を心待ちにしていたり…

良き出会いもあれば、嬉しくなかった出会いもあるけれど、めげずに図太く生きることを選んでいったほうが良い。

夢中になって読める本を探して、その世界でうずくまっていたっていい。

そこから帰ってくれば、時は流れて、少しは前に進めるはずだから。


辻村作品が私を日常に戻してくれた話。