panda life

白も黒もどちらも私。20代専業主婦の育児、生活、漫画と本の話。

さようなら。お帰りなさい。

今日からお盆。ご先祖様が、死者が帰ってくる。じいちゃんが亡くなるまで、物心ついてから身近な人の死を経験したことのなかった私にとっては、特別な意味など持たない、単なる休日だった。



3月のライオン』の川本3姉妹とそのおじいちゃんは、お盆をとても大事にしていた。姉妹にとっては、お母さんとおばあちゃん、おじいちゃんにとっては妻と娘が帰ってくる日。みんなで静かに、悲しみを口に出さぬように、火を炊いて迎えて、また送り出す。

もちろん、お盆と言っても、直接言葉を交わすことも、触れ合うこともできない。目に見えないけれど、そこにいる、帰ってきてくれたのだと真っ直ぐに信じることで、共に過ごすことのできる3日間。その存在を、温もりを感じる時間は尊い

思っていたより早い時間に、としおは帰ってきた。険しい顔つきで、重いスーツケースを抱えて。

要らないと言ったのに、私にも娘にもお土産があった。小さなショルダーバッグ。時差2時間。睡眠時間を捕られて損した気分での帰国、帰宅。

少しでも静かな部屋で休ませようと、私と娘と、私の両親、妹は出かけた。新しいショルダーバッグを持って。そして、先ほど、私と娘は私のもとの家族と別れた。

娘は泣いた。一緒に行けないことを、一緒に同じ家に帰れないことを。それはとても、居たたまれない気持ちだった。バイバイなのだと察しつつ、それを認めたくなくて、でも泣かずにバスを降りて、それから小さな声で泣いた。

次はいつ、会えるだろうか。次に会うとき、娘は覚えているだろうか。今日、プラネタリウムに入ったことを。20分間、私のいない空間で、どんなに幸せな時間を過ごしたのだろう。


古い考え方だけれど、孫を産んでやることが1番の親孝行なのかもしれない。無責任に愛し、可愛がり、好かれるために一生懸命になれる時間。親と子、夫と妻では叶わない関係。

一緒に過ごせる時間が短いことが、無責任に愛される時間が、良くも悪くも核家族だと短い。その短い時間が、有限なのは切ない。

おばあちゃん子は3文安いって、自分のことを考えたらその通りなのだけど、安くても良い。高い人と釣り合わない安い人間になっても、愛された幸せに優るものはない。

私はもう、家族を増やすことはできないし、にぎやかな家族はつくれない。静けさが、孤独や寂しさにならないように尽くそう。